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「自転車で30分、うちの子に通えるでしょうか」 ——今の姿ではなく、3年後で選ぶ

連載「中学年代で育てたいもの」第6回

体験練習会が始まり、たくさんのご家庭とお話しする機会をいただいています。その中で、よく聞かれる質問があります。

「うちから会場まで、自転車で30分以上かかるんです。小学生のうちの子が、そんな距離を通う姿が、正直、想像できなくて……」

今回は、この「距離の不安」の話から始めて、チーム選びのときに、何を見て決めればいいのか。私なりの考えをお話ししたいと思います。

想像できなくて、当然です

まず、お伝えしたいのは——想像できなくて、当然だということです。

だって、いま目の前にいるのは、まだ小学生のお子さんだからです。学校と家との往復が生活のほとんどで、遠くへ行くときは、親が連れて行く。それが小学生の世界です。その子が、ひとりで自転車を漕いで、30分も40分もかけて練習に通う。——親御さんの頭に、その絵が浮かばないのは、自然なことです。

けれど、私はいつも、こうお伝えしています。

中学生になると、ほとんどの子の世界は、一気に広がります。行動範囲が広がり、友達との付き合い方が変わり、いろいろなことを「自分でやってみたい」と思い始める。それは、体の成長と同じくらい確かな、心の成長です。

だとしたら、そのタイミングで、「自分の力で通う」という経験を、早めにさせてあげること。それは、自立への大切な一歩になります。もちろん、雨の日や、帰りが遅くなる日に、送迎をしてあげるのは良いことです。けれど、「基本は自分で通う」という毎日が、その子を確実に育てていきます。

実際、RayoNAGOYAの選手たちは、ほとんどが自転車で通っています。中には、かなりの距離を自分で漕いで来る子もいます。入る前は「うちの子に通えるのか」と心配されていたご家庭も、数ヶ月もすると、「あの子が、ひとりで通ってるんですよ」と、少し驚いたように、嬉しそうに話してくださいます。

小学生のいまは想像できなくても、子どもは、その姿になっていくのです。

「今の我が子」で選ぶと、見誤る

この距離の話は、実は、チーム選び全体に通じることだと思っています。

チームを選ぶとき、私たちはつい、「今の我が子」を基準に考えます。今の体力で通えるか。今の実力でついていけるか。今の性格で馴染めるか。——どれも大切な視点です。けれど、「今」だけを基準にすると、ひとつ大きなことを見落とします。

中学の3年間で、子どもは、別人のように変わるということです。

体が変わり、心が変わり、世界の見え方が変わる。12歳の春に想像していた姿と、15歳の春の姿は、まるで違います。だとしたら、チーム選びで本当に問うべきは、「今の我が子に合うか」だけではなく——

「この環境で3年間過ごしたら、うちの子は、どんな15歳になっていそうか。」

この問いだと、私は思うのです。

見学のとき、見てほしい3つのこと

では、「3年後の姿」は、どうすれば見えるのか。

未来は誰にも分かりません。けれど、ヒントは、グラウンドに転がっています。体験や見学に行かれたとき、ぜひ、この3つを見てみてください。

ひとつ。選手同士が、話しているか。 コーチの声だけが響いて、選手が黙って従っている練習か。それとも、選手同士が「こうした方がいい」と、自分の考えを伝え合っている練習か。3年間その環境で過ごせば、前者は「指示を待つ子」に、後者は「自分で考える子」に育っていきます。

ふたつ。うまくいかなかったとき、子どもがどんな顔をしているか。 ミスをした選手が、コーチの顔色をうかがっているか。それとも、自分自身に悔しがっているか。叱られないためにプレーする3年間と、自分の意志でプレーする3年間。自分のためにプレーする3年間。身につくものは、まるで違います。

みっつ。誰にも言われていない時間に、何をしているか。 練習が始まる前の、自由な時間。子どもたちは、ただ待っているか。それとも、自分からボールを触り、自分の課題に取り組んでいるか。「やらされる」が染みついた子と、「自分からやる」が当たり前の子。その差は、こういう何気ない時間に、いちばん正直に表れます。

お気づきかもしれません。この3つは、これまでの連載でお話ししてきたことです。設備の立派さや、チームの戦績は、パンフレットを見れば分かります。けれど、「3年後にどんな子になっていそうか」は、こうした練習の風景の中にしか、見えないのです。

迷うのは、真剣な証拠です

チーム選びに、唯一の正解はありません。結果を追う環境が合う子もいれば、じっくり育つ環境が合う子もいる。大切なのは、お子さんと、ご家庭の価値観に合った場所を選ぶことです。

もし今、迷われているなら——それは、お子さんの3年間を、真剣に考えている証拠です。どうか、焦らず、いくつかのチームを見て、比べてください。そして、見るときは「今の我が子」だけでなく、「3年後の我が子」を、想像してみてください。

自転車で30分の道のりも、3年後には、その子の当たり前になっているかもしれません。それくらい、中学年代の成長は、大きいのです。

次回は

次回は、その「変化」の話をします。RayoNAGOYAの選手たちが、この数ヶ月で、実際にどう変わってきたのか。ある試合で選手が見せてくれた、忘れられない場面とともに、お伝えしたいと思います。

RayoNAGOYAの練習体験は、随時受け付けています。「3年後のうちの子」を想像しに、一度、グラウンドの空気を感じにきてください。見学だけでも歓迎です。

▶ 体験のお申し込みはこちら(リンク)

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