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【監督コラム】「心が動いた2日間」

試合を終えて、しばらく動けませんでした。

勝ったわけでもない。結果だけ見れば、悔しい試合。

でも、なぜか心が大きく揺れていました。

土曜日。

試合前に選手たちに伝えたのはひとつだけ。

「前半の修正を後半できない。だから選手にできるのは、自分たち目の前のことをその都度良くしていくことなんじゃないかな。みんなにはそれができるから自信もっていこう」

立ち上がり、失点。

ほんの少しのタイミングとズレ。
そして、想像以上のスピード。

一瞬で置き去りにされる。

もう一度、同じような形。

分かっていても、止められない。

それでも、選手たちは崩れませんでした。

「中央を閉じる」
「慌てない。」

ただ、それを続ける。
続けられる。

気がつくと、相手は前に来なくなっていました。

攻められているようで、そうではない。

『自分たちが、相手をそうさせていました

ハーフタイム。

「決して面白くない状況を、冷静にプレーできている」

そして、ひとつだけ。

「攻撃も決して気持ちよくないプレーを、大事にしよう」

後半。

派手なプレーはありませんでした。

でも、確実に何かが変わっていました。

サイドに追い込む。
戻させる。
またやり直させる。

何も起きない時間。

でも、その時間の中で、確実に相手は自由を失っていました。

試合の最後、少しだけ乱れましたがそれでも、それまでは——何も起こさせなかった時間でした。

「負けた試合。でも、確かに前に進んでいました。」

日曜日。

この日は、試合前に何も話しませんでした。

『選手たちだけで輪になり、話をする。』

『仲間との繋がりを感じる。』

何を話していたのかはもちろん聞いていません。

でも、その空気だけで十分でした。

試合開始。

またしても、立ち上がりで失点。

判断のズレ。
そして、焦り。

うまくいかない時間。

それでも、チームは壊れません。

ハーフタイム。

「守備は落ち着いてチームで進められてる。じゃあ攻撃は?個人に任せてない?」
「仲間と繋がりながら進もうよ」

そして。

「みんなは守備で大切な所はわかってる」
「攻撃になったら、どこを大切にする?相手が固まってきたらどこが空く?そこにボールを運べたら相手はどうなる?どこが空く?」

少しだけ問いを置きました。

後半。

少しずつ、変化が見え始めました。

ボールが落ち着く。
仲間がつながる。
前に進む。

中から外へ。
外から、もう一度中へ。

そして、ゴールに近づく。

得点にはならなかったけど、確実に「前進」していました。

試合終盤。

中央にボールが入った瞬間、外から声が聞こえました。

「外ある!!」

数分後、同じような場面。

今度は外へボールが動く。

その変化を見たとき、胸が少し熱くなりました。

チームを成長させたのは選手の声でした。

試合後、ひとりの選手が話してくれました。

「一回つないで、また関わるイメージでやっていました」

ハーフタイムのときの表情が忘れられません。

誰も多くを語らない。でも、全員が問いに対して考えている。

自分の中に深く潜っているような表情。

あの瞬間、みんな本当にサッカーに向き合っていると感じました。

気持ちいいプレーもある。

でも、それだけでは続かない。

つなぐこと。
運ぶこと。
引き受けること。

少し不快で、地味で、でも次につながるプレー。

それを選び続けた先に、どんな景色が見えるのか。

この2日間で、その入口に立てた気がします。

まだ途中です。

でも、確実に前に進んでいます。

また、楽しみになりました。

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