RayoNAGOYAオフィシャルサイト

【監督コラム】『選手=子ども??』

最近対外試合が増え、様々なクラブとの交流する機会が増えました。

クラブの歴史から規模感、そのクラブを取り巻く環境などほんとに多種多様。

あるクラブでは親御さんがグラウンドを作りテントを張り、またあるクラブでは親御さんが2時間ほどかけて遠征先まで送り届けます。そしてあるクラブでは同じウェアを着て子どもから遠くから見ています。

そのすべてが正解で、クラブが意志を持って決めていることなので『色々なチームがあるな』と感じています。

RayoNAGOYAとはというと

『子どもの世界と大人の世界をすみ分けること』

をとても大切にしています。

以前働いていたサッカースクール

そのスクールではジュニアの全国大会で優勝した選手や高校サッカー選手権でベスト4に入った選手、イタリアで活躍したフットサル選手やフットサルの日本代表になった選手、ドイツでプロ契約をした選手と800人程の子どもたちに触れ合ってきました。

そこに通う3年生の子ども、お父さんはフットサルを長年やってきた方で、いつもスクールの送迎をしてはコート横のベンチで見ていました。

ある日のトレーニング中に自分の子どもを「手招き」で呼びつけて熱弁。

またある時にはハーフタイム中に子どもをトイレに行かせ、トイレの前で指示をしている姿がありました。

たまに、お父さんが来れないときには『あのクソおやじマジでうるせー』と言い放っていました。

また違う子どもは、お父さんは活動中は特に何も言うそぶりはなかったのですが、子どもはチラチラとお父さんの方を見ながら元気なくサッカーをしていました。

たまに見違えるように元気にプレイする日があるので色々と理由を探していると、その日は決まって一人で来ていました。

「パパと終わったとサッカーの話する?」ときくと、
『「もっとガツガツいけ」「シュート打て」「やる気だせ」といつも怒られる』と言っていました。

長年指導現場にいるとこういった『子どもと親御さんのズレ』を感じることがあります。

その原因は一言でいうと『親御さんは親御さんの前での子どもの姿しか見ていない』こと。

だから必要以上に不安になり、成功すると自分のことのように喜びます。


RayoNAGOYAは遠足・キャンプ・遠征・縦割りの活動やファミリーサッカー・Jリーグ観戦・バルシューレと様々な活動をしています。

そこで見られるのは多くの子どもたちの変化。

もちろんいつもと変わらない子もいますが、ほとんどの子どもたちは、子どもだけのグループにいると『変わります』

試合中はプレイでグイグイ引っ張っている子が、遠足中はほかの子にくっつかないと動けなかったり、親御さんの前では甘えん坊の子がみんなの前でリーダーシップを発揮している場面はよく見かけます。

また、野外活動中は時間が長いのでもっと多くの変化が見られます。普段は自由気ままな子が実は遊ぶ時間を長くするためにご飯の準備をしておく「段取り名人」。またいつも年上のお兄ちゃんに引っ張ってもらっていた子が、年下の子の荷物を持ち、一緒に遊ぶ「お世話名人」になったりします。

その時間の共有が周りにいい影響を与え、サッカーにも好影響を与えることを想像するのは難くないと思います。

帰ってから親御さんに『●●くんは、立派に育っているので、いろんな環境に挑戦させてあげてください』といっても、やはり信じられない様子。

それもそのはず。子どもは親御さんの前では自然に甘える自分を演じます。

だからこそ我々指導者は『子どもたちの特別な瞬間に出会えていること』に幸せを感じます。

『子どもたちが子どもたちの社会の中で立派になっていくこと』

『子どもたちが夢中になって大好きなことに取り組めること』

そのための環境づくりをするのが我々の役目なのかしれません。

お父さんお母さん、これからも『無償の愛』で子どもたちを見守ってあげてください。



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