6月から名古屋市サッカー協会か主催する、いわゆる『公式戦』がスタートしました。
昨年まで中心として所属していいた多くの6年生が抜け、今年は2人の6年生を筆頭に2人の3年生を含めた11名で試合を行っていきます。
初日となる6月5日、会場の設営はできることは自分たちで行っていきます。
公式戦ということでラインはコーチが担当しましたが、ゴールの設営やベンチの準備など「やれることは自分で探して、わからない子にはわかっている子が教えて」設営を行いました。
「ユニフォームチェック・入場の仕方・挨拶・選手交代」。
新しいことが多く、少し興奮した面持ちがなんとも言えず可愛らしく
レガースがなく出場できない選手がいましたが、帰りには
『もう絶対忘れない』
と力強く話してくれたました。
当日の試合は1つのアクシデントから点を奪われ、ゲームに振り回されましたが『自分たちの試合』という意識を持ってくれました。
翌週の試合は先週の感覚が残り、選手が受け身にゲームを進める局面が多く。
1試合目は1つのミスで失点。
0-1での敗戦となりました。
2試合目も、試合までの時間、環境に振り回され。大敗。
色々なものに振り回されている選手にコーチができることは多くありません。
当日は「受け身の姿勢を定着させないため」に自分たちでゲームを終えてもらいました。
「コーチ何も言ってくれなかったね」
と気にしていた選手もいたようですが、、、「プレーするのは選手だよね?」。
コーチが言っていることしかできないと、操り人形になってしまいます。
それはコーチが一番『求めていない姿』です。
特にジュニアの年代では『ミスを恐れない多くのチャレンジをし、「失敗」と書いて「せいこうのたね」と読んで欲しいんです』。
ただ、どんなチャレンジをして欲しいかはトレーニングの中で伝えます。
ゲームはあくまでトレーニングしたものが、発揮できるかという確認の場でしかありません。
選手がうまくなり試合に勝つための手段をトレーニングで積み重ねます。
もし試合中、選手にわけのわからない事を大声で求めていたら選手たちがどうなるか・・・わかりますよね?
試合後は、少しだけこんな話をして活動を終えました。
6月18日、3週連続の公式戦。
試合時間が近づくと選手たちの様子が変わっていきました。
おもむろにマーカーを並べだす「ふう」。
気付けば全員が自然と集まりステップワークを始めました。
そうなると試合も主体的に進みます。
フォーメーション変更による弱みを強みが上回り、前半にひろとの得点でリード。
ハーフタイムにはいつも通り「どう?」と聞くと
「コーナーの時に相手のトップがフリーだからやばいと思う」
「ひろとがボール持った時チャンスだからボールもらいに行ったほうがいいと思う」
話が止まりません。
そこで2つだけ話をしました。
①点を取られないようにするには相手フォワードと同じ人数で守るのはよくないこと※それに付け加えてセンターバックが持ち出した時にカウンターを受けないよう、プレーに間接的に関与する選手がカバーに入ること。
②フォワードが持った時前向きで相手と離れていればスペースを認識して、積極的に追い越すこと
後半は、得点こそ奪えなかったものの、相手のカウンターをすべて未然に防ぎ。
初勝利を収めることができました。
自分たちの力での勝利。
最高の笑顔で喜んでいました。
最後に
サッカーに来ているとき子どもたちは「選手の顔」になります。
親の前では「子どもの顔」になります。
友達と遊んでいるときは「友達といるときの顔」になります。
些細なことですが、顔が変わると子どもは自分で戻すのにとても長い時間を必要とします。
すなわち「環境に変えてもらう待ち」の状況です。
また、あるとき選手が「水がなくなった」と話をしてきた時に「だれが飲み物用意したの?」と聞いてみました。
ある子はこういいました
選手A「自分で用意した」
コーチ「なんでお水が足りなくなったと思う?」
選手A「いつもより暑かったからたくさん飲んじゃった」
コーチ「じゃあ今度からどうするの?」
選手A「暑くなりそうなときは、たくさん用意する」
また別の子はこういいました
選手B「ママがやった」
コーチ「自分で用意できないの?」
選手B「自分でできるけど・・へへっ」
どこか恥ずかしいような、何とも言えない表情でした。
AくんもBくんも親御さんが途中で飲み物を持ってきていましたが、「どちらが早く自立ができそうですか?」と問われれば、みんな同じ意見かと思います。
チームとしてひとつひとつの事柄を子どもたちの成長に繋げていただければ、これほど嬉しいことはありません。
今後の子どもたちの成長に期待しています。