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【監督コラム】「何も起きなかった、という前進」

今週の試合は、一見すると「大きなことは何も起きなかった」ように見える週だったかもしれません。

派手な逆転劇があったわけでもなく、
圧倒的に攻め続けたわけでもない。
スコアだけを見れば、勝ちきれなかった試合でもあります。

でも、ピッチの中では、
確実にこれまでとは違う時間が流れていました。

「奪えなくても、整っている」

今週、チームに伝えてきたことはとてもシンプル

・行ける時に行く
・行けない時は待つ
・前がなければ戻す

奪えなかったから失敗、ではない。
奪えなくても、整っていれば成功

その価値観を、試合の中で共有できるかどうか。
今週は、そこに集中しました。

実際、中央で相手に前を向かれた回数は多くありません。
外に出されても、慌てず、
相手に「考える時間」を与えない守り方ができていました。

大きな声も、無理なジャンプもいらない。
判断がそろっているだけで、相手の攻撃は自然と遅くなる

そのことを、選手たちは体感していたと思います。

「スピードを落としたら、見えるもの」

もう一つ印象的だったのは、
「落ち着いてプレーする時間」が増えたこと。

判断を急がず
一度止めて、触って、置いてから考える。

すると、
「ピッチがデコボコしている」
「思ったよりボールが跳ねる」
そんな声が聞こえてきました。

これはネガティブな話ではなく

『ボールを扱う時間が増えたからこそ、環境が見えるようになった』

それは、操作のレベルが一段上がった証拠。

速くプレーしている時には見えなかったものが、落ち着いた判断の中で、身体に入ってきている。

それはとても健全な変化だと感じています。

「ピッチの中で、更新される答え」

今週の試合で、コーチが外から何かを修正する場面は多くありませんでした。

代わりにあったのは、

・選手同士が話す姿
・立ち位置を微調整する動き
・「行かない」ことを選ぶ判断

特に印象的だったのは、
サイドでの守り方や、ジャンプのタイミングを

選手同士で共有し、更新していった場面』

トレーニングで準備してきた原理を、ピッチの中で“その日の最適解”に変えていく。

その瞬間、チームは指示ではなく、思考でつながっていました

『9月』と、『今』

9月、大敗した相手と再び対戦した試合もありました。
相手の強みや構造は、ほとんど変わっていません。

でも、結果は違いました。

同じ形でやられない。
同じ場面で慌てない。
崩れない時間を、自分たちで作れる。

スコア以上に、
『もう二度と同じ負け方はしないチームになった』
そう感じられる試合でした。

何も起きなかった、という価値

サッカーでは、何かが起きる試合の方が分かりやすく、評価されやすい。

でも育成の現場では、
『何も起きなかった時間の中にこそ、前進がある』こともあります。

・慌てなかった
・壊れなかった
・判断を揃え続けた

それは、とても静かで、
でも確かな成長です。

今週のRayoNAGOYAは、
そんな「静かな前進」を積み重ねた一週間でした。

来週も、完成させにいくつもりはありません。

判断を信じ、
また一歩だけ、前に進んでいきます。

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